ど、どうしよう……


オレは不安になりながらも、とにかくユズハの涙をペロペロと舐めた。


それなのに、どれだけ舐めてもユズハの涙はどんどん溢れて来る。


ユズハが不安そうにしている時、トーヤはいつもギュッてしてやる。


そうすると、ユズハは安心した顔になるんだ。


だけど…


オレの前足は短くて、トーヤみたいにユズハをギュッてする事は出来ない。


オレだって、ユズハをギュッてしたいのに……


そしたらきっと、ユズハを励ましてやれるのに……


オレは、自分の非力さが悔しくて堪らなかった。