それからしばらくしても、ユズハは戻って来なくて…


益々心配になったオレは、リビングのドアの前でじっとユズハを待っていた。


自分でドアが開けられない事がもどかしくて、何度も前足でドアを叩いた。


だけど…


その度に爪が磨(ス)りガラスに擦れてシャカシャカ鳴るだけで、ドアはビクともしなかった。


「アンッ!」


ユズハー!


「アンアンッ!」


おーい、ユズハってばー!


大声で呼んでみると、程なくしてドアの向こうにユズハの影が映って、その後すぐに目の前のドアが開いた。