「生きている価値がないのよ。だから、あなたも無駄な優しさはかけなくていい」


優しさというのは、時として残酷な一面を持つ。


私が今まで一番嫌ってきたのは同情だ。


綺麗な優しさという名のベールがとれたとき、そこには同情しか残らないから、私はこわい。


「優しさなんかじゃない!俺はさゆが好きなんだ。なのに何で価値なんて気にするの」


私は彼の慰めに、俯きため息を吐いた。


愛してもらえる資格が、私にはないことぐらいわかっている。


「慰めはいらないんだよ。それなら、一つ教えてほしいことがある」