この身体では進学は無理だとさとった日から、私はこれに全力をかたむけることに決めたのだ。


本心を言えば、大学にもいってみたいし、就職もしたい。


私にとってそんな幸せな日々を、世の人は普通な日々と呼ぶのだろうか。


もしそうだとして、更に幸せを求めるなら贅沢にも程がある。


だったら私は、平々凡々でいいからその幸せを分けてほしかった。


でも、不可能な望みをもっても時間の浪費でしかない。


だから、少々身体に負担をかけても、今の自分にできることがあるならば一生懸命やりたいのだ。


「さゆ、そろそろやめなさい。もう十分やったでしょ」