私は一文字一文字噛み締めるように、ボタンを押していった。


まるで味気のない文字に想いを刻み込むように。


〈私は後輩である前に、心友じゃなかったの?何もできないけど、辛い時くらい話してよ。少しは頼ってよ〉


私は想いをこめて、送信ボタンを深く押した。


心友なら、時には弱音だって吐いてほしい。


こんな時に後輩という言葉で遠ざけるなんてあんまりだ……。


そして、少し間が空いて来たメールにはこう書かれていた。


〈そうだったね。ありがとう、さゆりん。なんか少しすっきりした。また、頑張るわ〉


私の顔は思わず綻んだ。


しかし同時に、心に何か抱えて生きてるのは自分だけではないのだと改めて痛感した。