「お父さんには関係ないでしょ。やめてよっ――」


自分でもびっくりするほど大きめに張り上げられた声。


お父さんは目を見開いて驚いてるけど、後悔なんてない。


わからないでしょ、お父さんには私の気持ちなんて。


車椅子という見た目の次に気にしてるのは、側湾で歪んだ体だってこと。


微塵もわかってないで、そんなこと二度と口にしないで。


彼のことも重なって感情的になってる私はらしくないと思ったけど、私は変らずお父さんを睨んだ。


お父さんは何かを言い返そうとしてるのかやっと口を開きかけたが、急にお母さんがリビングに入ってきた。


「さゆ、光君が来てるわ……」