今回、咲さんを苦しめていたのは小崎の生き霊でした。 生き霊は、生きている人間の想いが霊体になったものです。 これは非常に厄介ですよ。 怨みや悪意だけでなく、恋心や愛情も、その対象ですから。 さて、小崎の場合は後者ですね。彼は咲さんを異常に愛していたのでしょうね。 ──けれど、咲さんは彼を嫌っていた。報われない恋というやつです。 それで、夜な夜な夢に現れては咲さんを自分のものにしようとしていたんでしょう。