私の恋は
桜のようにはらはらと
散っていった。


奏という名の桜は
もう咲くことはない。


奏の背中を見つめ
胸が熱くなり、目が潤んだ。


頬を涙が伝う

泣きたくなんかない

ましてや
奏の近くなんかで…


だけど…


奏は優しいから
泣いてる私を見ると
ほっとけなくなるかもしれない。


ずるい考えが
不意に思い浮かぶ。


そんな考えを
拭うように
私は涙をふいた。