「どーいうことって…何がーーーっ!!」

しまった…。
これは聞くべきじゃなかった。
蓮の顔がさらに険しいものへと変わっていく。

「何が?」

はっ、と鼻でわらってから「笑わせんなよ」と蓮が続けた。

「さっきの状況以外かんがえらんねーだろぉが。」
「あれは!楓にシャツ借りてて…」

答えるとシャツに伸びてきた手。
その手は乱暴にそのシャツを引き裂いた。

「俺以外の男の物身に付けるなんて…許さねーよ?」

まただ…またこれだ。
「俺は男だって何べんも言ってんだろ…。男物借りたっていいじゃねーか。」

蓮の些細な嫉妬が始まった。
弟にまで嫉妬。
流石の俺も少し呆れ気味で答えを返した。

でもその態度は蓮にとって怒りを高めたに過ぎなかった。


「ーーーっ!!!ちょっ、蓮っ!っ…いっ…た…!!」

突然首筋に吸い付いた蓮。
チクリと小さな刺激が舞い降りる。

『跡…つけたのか?』

でも今回は一度だけで終わらない。

「ぁっ、ちょっと待てっ!何回つける気だ…ぁっ、あっ!!」

跡を付けながら右手は俺の胸辺りを優しく行き来する。
頭が…ボーッとしだした。



『ダメだ…ヤられる…』