ヤバイ…。
あの目は本気でヤバイ時の蓮だ…。
だけど楓に抱きしめられている俺の体は固まったまま動かない。
「晴…?」
全く動かない俺を不思議に思ったのか、楓が俺の顔を覗き込む。
ヤバイヤバイヤバイ…!!!
動けよ、体っ!!
「晴」
ピクリと震えた体。
その声を聞いて楓も後ろを振り返る。
「あ、兄ーー…」
「黙れ」
感情も何もない表情(かお)をして静かに歩み寄る蓮。
それでもまだ俺をはなさない楓。
その様子をみて蓮がピクリと片方の眉をあげた。
そんな些細な反応をも読み取れる程の距離。
「蓮、これはその…さっ、別に変な事とかじゃなくて…」
「あ"?」
睨むような鋭い目。
…怖い。
「楓(お前)、いつまでそーしてんの?」
視線を楓に移す蓮。
「これ、どーいう事だよ。」