「一ヶ月の…チャンス?」
チャンスって、何のだ?
「晴に俺の虜になってもらう為のっ」
「ーー!!なっ、えっ?!」
「ぷっ(笑)どーせチャンスって何のチャンスだ?とか思ってたんだろ!晴顔に出すぎっ」
けたけたと笑う龍也。
いや、でも、確かに図星だけど!!そう思ってたけど!!
今はその事よりーーー…
「虜って何だよっ!!」
「え、そのまんまの意味だけど?」
「だけど?…じゃっ、ねーよっ!!
分かってんのか!俺は、そのっ、男でっ、虜とか何だか…」
「晴に俺の事、みて欲しいから。」
「…え?」
龍也が腕の力を緩める。
雲一つない澄んだ空。
柔らかい水色をしているその空が、龍也の悲しげな顔をより強調させる。
「男だとかそんな事どーでもいい。俺だって晴に俺の事、ちゃんとみて欲しいんだっ」
「俺はいつもお前の事ちゃんと見てんぞ?」
「そぉじゃなくてっ…!」
「俺の事も蓮様と同等にみて欲しいんだっーーー…」