「メーワク?(笑)」
龍也が苦笑しながら言った。
メーワク…
「んーん。」
その質問に対して俺は首を横に振る。
龍也に対してメーワクだなんてこと思った事は一度もないし、
どちらかと言えば俺の方がメーワクだと思う。
俺の答えを聞いて「そっか…」とホッとした顔で言った龍也。
俺なんかの一言で一喜一憂したりして…
「可愛いな、龍也っ」
「…は?」
『あっ、しまっーーー』
口に出してしまったと思った時には遅かった。
ーーードサッ
「…へ?」
龍也が俺を覆いかぶさる様にして押し倒した。
両手首はガッチリ固定されていて、逃げ出す事を許さない。
「ちょっ、なん「可愛いのは晴だっ!!」」
「え?!?!」
「いつもいつも可愛い事とかばっかしたり、言ったり…
俺の理性はやべぇんだぞ…っ」
ゴクリ、と一度喉を鳴らした。
何だか初めて龍也の本音が聞けた様な気がした。
「だけど…だから……晴…」
「ん?」
俺の手首を掴んでいる手にさらに力が入る。
「ーーーっ…」
「お試し何かじゃ無理なんだ。」
「…?」
「俺に、最後のチャンスをチョーダイ?」
俺の弱い、少し困った様な顔をして龍也が尋ねる。
「あ…何の?」
聞いた瞬間唇を軽く塞がれた。
『これは今…キス、されてんのか…?』
始めのうちは軽かったキスが、段々と激しさを増して行く。
「ーーーはっ…」
「んっ…ぁっ、ぅんっ…」
ピチャリ、と音をたてて唇が離れる。
はっはっとまだ荒い呼吸をしている俺の耳元に龍也が顔を近づける。
『…っ??』
「俺にーーーー…」
掠れる様な声で囁いた。
「一ヶ月のチャンスをちょーだい?」