シンとした空気が流れる。

予鈴のチャイムが鳴った。



「…え?」

「…晴、授業サボろう。」

「えっ、えっ?」

頭が回らなくなっている俺の手をいつもの様に優しく引っ張って屋上へと連れて行く龍也。

『何が…どうなってんだ…??』


屋上の扉を開けると、夏だと言うのに爽やかな風邪が一気に吹き抜ける。

「…座ろっ」
「あっ、おうっ!」

チョコンと龍也の隣に腰掛ける。


「今日俺たちめちゃくちゃ授業サボってんなぁ~」
「そ、そうだなっ!俺なんか龍也よりサボってんもん(笑)」

何気なく言った俺の言葉に
ピクリと反応した龍也。


「…サボってた間に何かあった?」

ーーードクンと胸が鳴った。

「え…?」

真っ直ぐに見つめてくる龍也の瞳は、俺の事を何もかも見透かしていそうで…



「別に、何も…」


少し俯き加減でそう答えた。