「今、不覚にもときめいたりしちゃった?(笑)」
「――――!!!してないっ!!自惚れんな馬鹿っ!!
大体俺はお前何か別に好きじゃ……」
言いかけて言葉が止まる。
だって…目の前には
凄い鋭い目をした蓮が(泣)
「なっ、何…」
ジリジリと詰め寄ってくる。
その距離はあっという間にキスが余裕でできる距離までに近付いて。
「何…って、お前、ホントに分かってねーの?」
「へ?」
何の事だかさっぱり分かんない俺。
ポケッとした顔で蓮を見つめる。
「お前さっきから可愛い事言いすぎっ。」
「はぁあ!?」
どっちかっつーと暴言…
「お前のそれ、暴言のつもりなんだろーけど」
見抜かれてましたか(泣)
流石です。
「俺にとっちゃその強気な発言は只の照れ隠しに聞こえる。」
「……は?」
「まっ、ツンデレって無自覚ってよく言うしなぁ…。可愛いけど、俺そのうち耐えらんなくなりそぉだからあんまししないでくれる?」
「いぁ…何言ってんの蓮?俺は無自覚なツンデレでも何でもねーし…」
ジッと見つめられていた事に気付いて、何だか急に恥ずかしくなって下を向く。
『だって、距離ちけぇ…』
何かこんな場面ついさっきもあった気がっ。
「それに」
「??」
「お前は気付いてないだけで、既に俺に惚れてる。」
「はっ!!お前どんだけナルシ―――ングッ!!」
再び口を手で塞がれる。
「いーか?お前はそのうち俺なしじゃ生きられなくなる…俺がそー躾するからなっ。」
なっ!躾!?
俺は犬じゃないっ!!!
「まぁ、付き合うのは特別サービスでお前から俺を求めてくるよーになってきてからで良い。」
「―――プハァッ…」
やっと口が開放される。
「そんなの一生ねー…」
言いかけて再び止まる。
だって蓮があまりにも優しい顔で俺を見つめていたから。
まるで何かいとおしいものを見つめるかのように…。
悔しいけど俺はその優しい蓮の瞳に、顔に、一瞬にしてひかれてしまったのだった―――。
蓮がさっき言ったことが本当になるのはそう遠くない未来かもしれない…。