引っ張られるがままに蓮についていったが、
突然ピタッと蓮の足が止まった。
蓮の目の前には…
「あれ…ここ、生徒会室…?」
「あぁ。」
短く返事を返して、当然のようにそこに入っていく蓮。
「えっ!?ちょっ、待てよ!!こんなとこ勝手に入ったら怒られるって…」
まぁこんな事言ってる俺だけども、実際もう中に入っちゃってるんだけどね。
「何で?」
「何でって…普通関係無い奴がこんなとこ…」
「いーんだよ。ここの会長、俺だから。」
蓮がここの会長…。
へぇ~、納得………
「出来るかぁぁあ!!」
蓮の腕を振り切る。
「――っせーなぁ…急に何だよ。」
突然出した俺の大声に、怪訝そうに顔を歪める蓮。
「だっ、だってお前みたいな奴が、生徒会長って…」
「お前この学校に入学したんだったら渡されたパンフレットくらい見とけよ。」
そう言って手渡されたパンフレット。
「パンフレット?」
こんなもんに何が載って……
「蓮!!!!!」
きっちりと生徒会長の写真が載ってある。
「初めて知った…」
唖然としている俺とは裏腹に、蓮は何がおかしいのか
「つか、お前酷くね?こんな奴が、って(笑)」
とか言いながらククッと笑っている。
不覚にも、その楽しそうに笑う姿にキュンとしてしまったのだ。
蓮はその一瞬の俺のときめきを見逃さなかった。