「まぁ、良い。敬語何か使われるより、タメ語の方が楽だからな。
お前、これから敬語使うな。」

「へ?」


「後、先輩って呼ぶのも可愛いけど、俺の事は蓮って呼べ。良いな?」


あの、俺、突然すぎて何言われてんのか全然理解できねーんだけど…

「返事は?」


「ぁ…うん…。」


とりあえず俺は頷く事にした。

まぁ、嫌な事でもないし別に断る理由何か無いから、いっか!!


「つかお前、入学式出なくて良いわけ?」


ククッと笑っている蓮。


入学式?

入学……………


「あ゛ーっ!!!!!!!」

忘れてた!!
完璧忘れてた!!

て言うか、急に告白とかしてきたお前のせーだろがっ!!!(泣)


キッと蓮を睨む。


「その顔、やめた方が良いぞ。」


「何だよ!!ひでぇー面とでも言いてーのかっ、バ――――!!!!!」


口に手をあてられ、何も喋れなくなる。


「――ンぐっ…んっ…」


何とか手を外そうと必死にもがくが、蓮の力は尋常じゃ無くて。

びくともしない。


「暴れんな、馬鹿。」

暴れんなと言われておとなしくなる奴が何処に居―――


「大人しくしねーとキスすんぞ。」


…―――ここに居ました。



何が好きで会ったばっかの男とキスしなきゃなんねーんだよっ!!


「良し、良い子だっ。」


しかもガキ扱いかよ…。


「良いか、晴。お前がさっきやった睨みのつもりの行動は、俺から見たらただの上目遣いだ。」


はぁ?
あの睨みが?
上目遣い?


「コイツ頭おかしいんじゃねーのって思っただろ。」


「――――!!!!!!!」


ず、図星です(泣)


「まぁ、他の男にそれしたらヤベーと思うぞ?俺は。」


「……っ!!!ンッ…!!」


フチュ…と口の中に指が入ってくる。

「…はっ…ぁっ…」


「まぁこれはさっき馬鹿って言おうとした罰と、俺以外にその上目遣いは禁止って言うのを分からせるため、かな?」

「んむっ…ンッ…」


ホント、何考えてんだっ…コイツ…


「……プハァッ!!」

やっと口から指が抜ける。

「もし約束破ったら、次は指じゃなくて舌入れるからな。」


えーっと…
それはつまり深いキス、ってやつの事かな?


そんなのぜってー矢駄!!


あれだろ?
蓮の言う約束って、蓮以外の男子を睨まなきゃ良いんだろ?

そんなの簡単だっ!!


「約束守ってみせる!!」

「当たり前。」

ったく。
何でコイツはこーも俺様なんだよっ!!

あっ、そうだ。


「あの…蓮?」

「あ゛?」

「あっ、えと…その…講堂の場所、教えてくれ…」


「―――!!!!」


さっきまでの威勢はどこへやら。


場所が分かんない事が恥ずかしくて、制服の裾をギュッと掴みながら下を見て訪ねる。