爽やかな夏の風が吹き抜ける部屋。



…ではなく、殺気の漂う生徒会室。



明るい真夏の日差しがキラキラ…



…でもなく鋭い眼差しがギラギラ。



それもとてつもなくギラギラ、ギラギラーーー…


「あーーっ、もぅっ!!何なんだよ蓮っ!」

「…」





この雰囲気に至るまでの約三十分前。

突然教室にやってきた蓮。

何の疑いも無くひょこひょこっと蓮の側によって行き、「どーしたんだー?」と尋ねた途端……


無言で見下ろされそのままいつもの如く、
手を引っ張られながら生徒会室へ。


……ーーーそして現在(いま)に至る訳だ。


未だ口を開かない蓮。

『怒ってる…のか??』


俺の顔からは焦りの表情がで始める。

「おっ、おい、蓮…!!俺、何かした??
したなら謝るから…」






「何か言え馬鹿…」


不安な気持ちが声の震えとなって現れる。



その時、やっと蓮が口を開いた。

「ーーー…俺の、馬鹿みたいな我儘、
聞いてくれるか??」


上目遣いで聞いてくる蓮に、ドキッとした。
蓮の上目遣いは、凶器だ。


「な…何だよ。」