目が覚めたら、ベッドに寝かされていた。


『俺…自分でベッドに行ったっけ…』

朦朧とする意識の中で、自分の中にある記憶を
必死で辿る。


確か水を飲みに行って…それで…


『どうしたっけ?』

そう思った時、台所からカシャんと音がした。


と、思った瞬間、次はこちらに向かってくる足音。


その足音はピタリと俺の横で止まった。


視界がボヤけるまま、薄っすらと目を開く。



「…蓮??」



名前を呼んだ後、フワリと俺の頬に触れてくる手。


その手が蓮だと思うと、何だかとても心地よい。



「…んっ…」

思わず吐息が漏れてしまう。


それに反応したかのようにピクリととまる手。



蓮…??


どうしたんだ…??


不思議に思っていると、不意に頭上から声がかかった。


「飯…作ったけど、食う?」