「あれ?おっかしぃなぁー。ここも違う。」


まだ講堂を探している俺。


それは決して俺が方向音痴だからとかではなく、この馬鹿でかい敷地が問題だっ!!


「くそっ…何処だよ…」


探していると、何気無く目に入った時計を見てみる。


『何だ。まだ10時か。』


………。


………………。


…………………って、

「はぁあ!?10時ぃ!!」


確か俺がここに来たのは9時。

うわっ、すっげぇ俺!
一時間も講堂探してるっ!!


じゃっ、無くて!!


入学式始まってんじゃねーか(泣)


ヤベェー!!

どうしようっ、どうしようっ!!


「プッ」

「!!」


1人で右往左往していると、突然背後から聞こえた誰かの吹き出す音。


慌てて後ろを振り返る。


「!!!!」

そこには絶対180はあるであろう身長の、まさに絵に描いたような美男子(イケメン)が居た。


『ヤベェー…かっこいい…』


「おい。」


話しかけられて、自分がポ~っとしていた事に気付く。

「何だよ…」


「お前、いつもあぁなの?」

「へ?」


「だから、いつもあんな風に1人右往左往してんのかって。」

コイツ!!
まさか見てやがったな!!
そして絶対楽しんでたんだっ!!
だってめっちゃにやついてんもんっ!!


「!!!!!!!しっ、してねーよ!!」


「フーン…」

そう言いながら、俺をじっと見始めた美男子。

嫌、見ると言うよりも、何かを見定めている感じ?


「なっ、何だよ…!」


相手がでかい分、少し上を向いて見上げる。



「…無自覚に相手を翻弄するツンデレか…」



「??」


何か(重大な事を)言ったらしいが、聞こえなかった。

聞こえてたら全力で逃げてたのに(泣)。


「俺、お前気に入ったよ。」


「はぁ?」

そんなの突然言われても困る。

何?
これは礼を言うべき、なのか??


「あっ、有り難う…」


「お前1年だよな?」

「あぁ。」

「俺、2年の海原 蓮(カイバラ レン)。よろしくなっ!!」


「あっ、俺は朝霧晴!宜しく…」


――――て、

2年!!!!!!

俺より年上じゃねーか!!


なのにタメ語使っちゃったぞ……

「あのっ…」

「ん?」

「タメ語、すんません…」


ペコッと頭を下げる。


「……悪いとおもってんの?」

「あっ、ハイ!それは勿論…」


「ならさっ、」

「??」



「俺と付き合え。」



…………ハイ?