「会いに来てんじゃねーか。」
「?!」

突然背後から掛けられた声に、声にならない声が出る。

「れ、れ、蓮…」

ヤバい。
嫌だ。
蓮には会いたかったけど、会いたくない。

また‘‘お前とは居たくない”って言われるのが怖い…!!

「…まあ、中に入れよ。」

扉を押さえて招き入れてくれた蓮。
その言葉にホッとして、俺は素直に中へ入る。

「何だ、えらく素直だな。」
「そんな事…ねぇし…。」

俺が口を尖らせながらそう答えると、そんな事あるだろって言って軽く笑う。
そんな蓮の笑顔を見て自然と涙が零れ落ちた。

「え?は?ちょっ…お前何泣いて…」

「ゔっ…お、俺、もう蓮に会いたくないって言われるとおもっ…思って、不安で…でも優しくて…良かっ、良かった…!」

涙と鼻水でぐしょぐしょになりながらも何とか言葉を伝える。

そんな俺の汚い顔を着ている服の袖で拭いながら「あー…」と罰が悪そうな顔をした蓮。

「あん時は悪かった。」

「…」

「俺も、その〜…焦ってたっつーか、な?」