「――ふぁっ…」


足に力が入らなくなり、崩れ落ちそうになった瞬間、俺は蓮に抱き抱えられキスが終わった。


「…はぁっ…はっ…」


息がまだ乱れている俺に、強く抱き締めながら蓮が低い声で囁く。


「お前は俺だけのもんだ。誰にも渡さねぇし、触れさせねぇ…。」


「―――!!」


ドクッと脈打つ心臓。


ヤバいっ…何だこれ!!

ドキドキがとまんねぇ…


「俺以外を呼び捨てにすんのも、俺以外の事を考えんのも駄目だ――。」


何だよっ…

そんなのただの独占じゃねーかよ…


なのに俺、
こんな事言われて何嬉しくなってんだっ?


「……やめろ。そんなのムリに決まってんだろ…」


そう言って抱き締められている蓮の腕の中から、蓮を見上げる。


すると蓮は意地悪く微笑んで。


「ムリだなんて言わせねぇよ。」


と一言。



……悔しいけど、俺はこいつの笑顔を見たら駄目何だ。


思わず頷きそうになってしまう。



友達の名前を呼び捨てにしただけで。

友達の後を追いかけようとしただけで嫉妬する、こんな独占欲丸出しの男に。


出会って数時間。


夢中になってる俺はどうしたら良いんだっ――??