「ーーーじゃ、また明日。」
「おう、おやすみ!」

手をヒラヒラと振りながら、ヨースケが出て行った扉を見つめる。


ヨースケから聞いた話は、何と言うか反応し難いものだった。

楓と龍也が付き合い始めたキッカケは、簡潔に言うと俺が絡んでいるらしい。

龍也が落ち込んでいたところを楓が慰めて…なんて言うベタな展開。


まぁ…なんだかんだ今2人は幸せそうらしいので良いとしよう!


「風呂でも入るかっ」

よいしょ、と立ち上がると同時に、振動を始めた俺の携帯。

ふと画面を見ると映し出された一文字の名前に、即座に通話ボタンを押した。


「も、もしもし…」

『遅い。』

「いや、今のは結構素早く反応した方だろ!」

『つべこべ言うな。今からお前の部屋行くから鍵開けとけ。』

「は?!今から!?え、ちょ、蓮っーーー…」

耳から携帯を離し、再び画面を見ると“通話終了”の四文字。

今からとかもう24時前だぞ…
何しに来るんだ?