なんだこいつの笑みは?!
「ムッカツクー!!」
ヨースケの腹を軽く殴るモーションをした時、「晴?」と呼ぶ声がした。
後ろを見るともう俺の部屋の前まで来ていて、俺を呼んだ声の主は隣の部屋の龍也だった。
「おぅ、龍也!」
よっ、と手を挙げて見せる。
「おぅ、じゃねーよ…。何か部屋の前で騒がしいなと思ったら…何してんの?」
「話し合い!」
簡潔すぎる俺の答えに不思議そうな顔をした龍也。
その顔を見て、ずっと考えていた言わなくてはいけない事を思い出す。
「あー…龍也、その、俺さ…もう龍也と付き合うとかそういう事はーーー…」
「晴!!」
「はぃい!!」
「その…もう、良いから。俺も悪かった…無理やり付き合わせたりして…これからは言わねぇから。」
予想外の言葉に自然と口が開く。
いつの間にこんなに聞き分けが良くなったんだ龍也!
「…何か俺、今凄い馬鹿にされてねぇか?」
また顔に出してたのか俺は…
「い、いやいやっ!全然馬鹿にしてない!!」
ジト〜っとした目で見つめてくる龍也から顔をそらすと、何かを考え込んでいる様子のヨースケが視界に入る。
「ヨースケ?どーした?」
「んー?いや…こいつ何かで聞いた…」
「聞いた?」
何を、と聞こうとした瞬間
「あーっ!!!!」と叫んだヨースケ。
「なっ、何だよ急に?!」
「思い出した!!!」
「だから何をだよっ?!」
「蓮様の弟の、海原 楓と付き合ってる奴だ!!」
…
へー…龍也が楓と…
…
って、
「えぇぇええええええええ!?!!?」