「待つのはお前。」
龍也の後を追いかけようとした時、タシッと腕を掴まれた。
「誰だよっ!!離せよっ!!俺は龍也を―――…!!!!」
振り向くとさぁ驚き。
あの微笑んでるけど滅茶苦茶怖い笑みを浮かべている蓮。
「龍也……」
鋭い眼差しでこちらを見つめながらポソリと龍也の名前を呟いた蓮。
やだっ…何か怖―――
「ぁっ…い゛っ…!!」
俺を掴む力が一段と強くなる。
「呼び捨てまでしちゃって…。早速変な虫ついちゃってんじゃん。」
「痛ぃっ…痛い蓮っ!!!離せっ……」
掴まれているのは腕だけなのに、全身が締め付けられるように痛い。
なのに蓮の力は全然緩む気配は無くて…
「蓮っ…お願っ……」
頼んだ瞬間蓮の手が離れた。
でも次の瞬間―――
「ん゛むっ…!!」
唇に当たるあたたかい感触。
これは…
蓮の唇?
「ちょっ、やめっ…ンっ…んっ!…」
段々と深くなっていくキス。
そしてそれに伴うかのように激しさを増していく。
まるで噛みつくみたいな…。
なのに俺は全然気持ち悪さを感じなくて。
嫌、寧ろ―――
「…フッ…ぅっ」
『――…気持ちぃかも…』