それから俺の耳に聞こえて来たのはパタリと扉が閉まる音。
『忘れ物ならした事になってんだろーーー…蓮との記憶を』
…
…………
……………って、「誰が上手い事言えって言ったよ馬鹿野郎っ!!」
ゼェー、ハァー、と荒い呼吸を繰り返していると、どうした?と優しい声がかかった。
「あ、いや、なんでもねぇ…よ!」
思わず声が裏返る。
なんかあやしすぎる!俺っ!!泣
「なんか…今のお前変だな。記憶なくす前の晴みてぇだ。」
そう言ってフッと笑う蓮。
「そう、かな?」
「あぁ。特にその1人で右往左往してるあたりがな(笑)」
うわ。
こいつ今サラッと失礼な事言っただろ!
良いもんね、俺だって言い返してやる。
「蓮さんは俺の記憶がなくなる前からそんな意地悪だったのか?」
「は?」
記憶無いからって言い返さないなんて思うなよ!!