いやいや、待てよ俺。
よく考えろ。

第一こんな事して俺のプライドが保たれるのか?!
一応まだ残ってんだぞオトコとしてのプライドがっ!!

「やっぱ俺には無「誰か居るのか。」」


「…」
「あ、兄貴。」

「ぁ?楓…と、晴?」

うわぁぁあ最悪だよ。帰って来たよこのタイミングで、蓮様がっ!!

「どうした、俺に何か用か?」

明らかに挙動不審な俺に心配そうに尋ねて来る蓮。

いつもと変わらないその優しさに何だかホッとする。

『何かすげー気持ち落ち着いた…かも』

「晴がさ、忘れ物取りに来たみたい。」

「「忘れ物?」」

楓の発言に俺と蓮の声が重なった。
「ん?何で晴(お前)も驚いてんの??」

「いやぁ〜…ははっ…」

忘れ物?
そんな展開聞いてないぞ…

「んじゃ、俺は帰るわ。」

そそくさと退出しようとする楓の腕を慌てて掴み、小声で問いただす。


「ちょっと楓!俺忘れ物とかしてねぇんだけどどーすんだよ!」

「したことになってんだろ。今のお前は。」

「は?」

「ーーー蓮との記憶を。」