「そ。俺、前に兄貴に辞書借りにきた時たまたま見つけたんだけど…ほらよ。」


開いたまま渡された雑誌を手に取り、その記事に目を落とす。


「なんだこれ…『記憶喪失プレイ』…………マジでなんじゃこりゃぁあああ?!」

ただの…ただのエロい雑誌じゃねーかよ!何なんだよ楓!!
こんなクールな雰囲気出しといてただのスケベかよ!

「こ、こ、こんなとこで冗談かよ!俺真剣にお前なら何とかしてくれるかもって信じてたのに…」

「記憶喪失プレイ、しろよ。」

こいつは…まだそんな事言うか。

「良い加減にーー「してる最中に記憶戻ったフリすりゃ良いだろ?」

「…え?」

「ほら、良く読めよここ。『記憶喪失とか実際恋人がなるとキツイけど、俺とのSEXで記憶を取り戻してくれたらマジでヤバイ。そんなの可愛すぎる。(23歳:社会人)』だとさ。」

楓もSEXとか言うのか…

て、そうじゃ無くて!!

「そんなの一部のヤツらだけじゃねえの…」
「八割がこう回答してるみたいだけど?」
「マニアックなヤツらとか…」
「社会人100人に聞いて見た!って大きく見出しに書いてあるけど?」
「…れ、蓮はそうじゃないんじゃ…」
「何かこのページだけ付箋貼ってあるけど?」

「…」
「…」



記憶喪失…プレイ…