そしたら必然的に抱きしめられる格好になる訳で。

「お前は…急に抱きつくか、普通。」

俺、ドキドキしちゃう訳で!!!

んでもって楓、クールな訳で!!!!

「わっ、悪りぃ!!ごめっ…」
ごめんと言おうとした言葉は遮られた。

抱きしめた腕に力が入ったから。

「か、えで…?」

「俺はーーー…

本当はクールでも何でもねぇし、頭ん中では好きな奴を思いっきりいじめ倒して、んでもってドロッドロになるまで甘やかして、俺が居ないと生きていけ無い様にしたいとか考えてるんだけど…」

え。

楓ってかなりのド鬼畜なのか?!
てかやっぱり兄弟って似るもんなんだな…恐ろしい。

「…でも、好きな奴には幸せになって貰いたいとも思ってる…」

少し小さくなる声。


「楓…?」

ちゅっと軽く目尻に唇を落として、俺を抱きかかえて立ち上がる。

「俺にしとけば良かったのに。」