入学初日と言う事もあって、あっと言う間に下校になった。

鞄をとって帰ろうとすると、龍也から声がかかる。


「晴も寮?」

「うん。寮だけど。」


毎日通学する事も出来たけど、めんどくさいので寮を選んだ。

「じゃあ一緒にかえろーぜっ!!」

「あっ、あぁ…」


1人だとまた分かんなくなりそうだったし、1人より友達と帰る方が楽しいので龍也と一緒に寮へ向かうことにした。


「晴は何号室~?」


歩きながら龍也が話しかけてくる。

「俺は確か…101号室かな?」

「マジで!!隣だっ!!」

「マジ!!龍也が隣とか何か嬉しいなぁっ。」

隣知らねーやつより、やっぱ知ってるやつのが楽だしな~。

「―――っ!!!」

「ん?どうした?」

龍也の顔が一気にカッと赤くなった。

「あっ、おっ、おぅ!!俺もすげー嬉しい!!」

何だったんだ?
今さっき一瞬見せた驚いたような顔は…。


「つか、龍也何か顔赤くね?」

「気のせいだろっ。」

ヘラッと軽く笑い流した龍也。


俺の気のせいかな…??


寮につく最後の角を曲がる。


「…晴?」

誰かに名前を呼ばれる。


「あ、ハイ…って、ヨースケ!!!!」

「おぉーっ!!やっぱり晴かっ!!びっくりしたー!!」

「俺もびっくりした!」

本当にびっくりした。
正面を向いた瞬間そこには見覚えのある懐かしい友達、立浪 陽介(タツナミ ヨウスケ)が居たから。

ヨースケは小学校の時の友達だ!


「お前、ここに入ったのかよぉ~…」

「あー、まぁ色々あって。」

願書の提出期限が切れてたからなんて恥ずかしくて言えない(泣)


「しっかしお前、こんなとこ来たらあぶねーだろ?」


「は?」