勢いよくカフェオレを手にとった俺。
そんな俺を見てまた笑う。

「な、なんだよ…」

コクリと一口カフェオレを飲む。
うめぇ〜…!!
なんだこのカフェオレ!!


「いや、お前はほんと欲張りだなと思って。」
そう言ってクスクス笑う。



あれ?
なんだこのデジャヴ…
前にもあった気がするぞ?


ツキンと痛む頭。
「いっ…たぃ…」





『ほんとに晴は欲張りだなぁ…』

『へぇー…自分ではわかんないんだっ』

『まぁ、そっか。晴は無自覚天然バカだもんな』

『いーや、バカ』

『…俺と龍也くんどっちも捨てらんない晴くんはホントに欲張りだねぇ…』



頭の中で再生されていく過去の記憶。

そこで俺は気付く。
『これ、俺の蓮との記憶…』

そして思い出してはいけないセリフまでもを思い出す。



『俺の方が晴の事愛してるっつー事が』



やばい…!!
全部全部思い出した。
蓮との記憶…全部思い出しちまった!
何でこんな恥ずかしい事まで思い出すんだよ俺のあほ!!!

「あ?なんかお前急に顔赤くねえか?」

俺の変化に気付いた蓮が熱をはかろうとおでこに手を当ててくる。

や、やめっ…
やめ…

「やめろっ!!」

あぶねー…ここで記憶が戻った事がばれたらなにされるかわかんねぇし。

取り敢えず記憶が無い振りしとかねぇと…。

俺このまま隠し通せるかなーーー?