会おうと指定された場所は生徒会室。

何故だかしっかりと覚えているそこへの道のりを足早に歩いた。


そんな俺が今立って居るのはその生徒会室の扉の前。


涙はもうすっかり引っ込んだし、後は…こ、心の準備だけだ…!!


よし!と意気込んでドアノブに手をかけた時ーーー…勢い良く開かれた扉。


「え?!うわっ、た、倒れるっ!!」

ギュッと目を瞑る。
でも俺が感じたのは痛みじゃ無くて、なぜかぬくもり。


「…晴っ…晴」

ぎゅうううっと力一杯、前に倒れこんでいった俺を抱き締めてる海原さん。

「蓮さん?!」

この状況はかなり恥ずかしいんですけど?!

「お前、さっき何で泣いてた?」

「へ?」

驚いて顔をあげる。

蓮さんは見上げた俺の頬に優しくチュッとキスを落としてくる。

うぉっ!!これはかなりの羞恥プレイ!!

「教えて、晴。」

「あ、えと…俺にも、その、良くわかんなくてですね…」

「は?」

素直に答えたのにその睨む様な目はやめて欲しいです泣

「いや、ほんとなんだって!ただなんか…大事な事を忘れてると思って。そしたら頭ん中グルグルしてきて…」


あー、もう。
俺何言ってんだろ…


「良かった…」

「良かった?」

「晴が、誰かに襲われたんじゃねーかって。俺めちゃくちゃ心配した。」

心配…?

「こんな俺を…ーーんぅっ!!」
急に塞がれた俺の唇。
塞いだのは勿論蓮さんの唇で。


「ふぅっ…ん、ゃ、んぅ…んっ」
暫く口付けをかわした後、唇を離した時に見えた銀の糸がいやらしくて、俺は思わず目を逸らした。

「はぁ…っ…晴。お前はどんだけ俺がお前の事心配してるか全然分かってねぇだろ。」

そんなの答えは決まってる。
俺は顔を逸らしたまま即答する。

「全然わかんねぇよ…」