ズキン、と針で突き刺すような痛みが頭を襲う。
「いっ…つ…」
何だ?
何かがグルグル…
何か大事な…思い出さなきゃいけない…
俺は…
俺、は…
「ーーーっ!!は、晴?!
どーした?どっか痛むのか?!なぁ…なに泣いてんだよ?」
涙が止まらない。
「わ…かんねぇ…俺、わかんねぇ…」
その時ふと鳴り出した俺の携帯。
慌ててポケットから取り出して見ると、表示されたディスプレイには「蓮」の一文字。
「あ…蓮さん…」
通話ボタンを押す。
「もしもし…」
『…晴?』
「そう、だけど…」
『今から会えないか?』
「え、今からって…だってもう夜遅いし蓮さんに悪ーーー『俺が我慢出来ねぇんだよ』
ドクッと心臓がひときわ大きく脈をうつ。
熱が一気に顔に集中する。
(なんだこれ!なんだこれ!ドキドキが止まらねぇ!?)
『なぁ、だから…会いに来いよ。』
切なそうに言う海原さんに、俺の口は自然と「うん」と答えていた。