朦朧(もうろう)とした意識の中、うっすらと浮かぶ誰かの姿。
身体を揺さぶられる感覚に何かを感じる。『この感じ…前にも…?』
「晴っ…晴、好きだっ…」
「ぅあっ、あっ!」
今俺の目の前に居るのは…?
今俺の頭の中に思い浮かんで居る人物は…?
事が終わり、ようやく薬の効果が切れた俺は龍也への猛攻撃を始める。
「薬盛るとかさいてーだっ!!」
「それは!悪かったけど…そーでもしねーと絶対晴ヤらせてくれねぇじゃん」
口を尖らせながらふいっと横を向く。
「な、に、す、ね、て、ん、だ、よ!」
その顔を両手で挟み、無理やりこちらに顔を向けさせる。
「晴も気持ちよかった癖に…」
こいつはぁ〜!!
「うるせぇっ!!気持ち良いのと薬盛るのはちげーの!」
「猫みたいにスリスリして来たり、ちっちゃい子みたいに舌ったらずになったりめちゃくちゃ可愛かったのに。まだ抱きたり無いくらい。」
「だ、黙れ馬鹿野郎っ!!!」
こいつは何でこうも恥ずかしい事を恥ずかしげも無く言えるんだ!
ん…?
こういう事を恥ずかしげも無く言うやつはもう1人居たような…
誰だ…?