足りない?俺が??

「楓お前…どーした?何言ってんだ?」

頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだ。

問いかけても返事はない。

「おーい、かえーーー…うひゃっ!!」

楓、と言おうとしたその時、首元に寄せられた唇。
時折楓から漏れる吐息がかかって、ゾクリとしてしまう。

「な…に…?」

「晴…ごめん。」
「え…?」

聞き返そうとした瞬間、首筋にチュッと軽くキスをされる。
その次に感じたのは甘味な痛み。

「何した…?」
「印、付けたくて」


印?

印ってあの…あの印か?!

「き、キキキキキ、キスマーク?!」

急いで楓を引き剥がし、鏡を見る。

そこにはくっきりと赤い鬱血の後。


「か、楓ぇ〜!!!おま、何すんだよ!」

「今しかこーいうの、出来ないから」

「…へ?」