何…?
何だこの雰囲気は…??
「晴…お前こんな時に笑えねー冗談言うなよ。」
ふざけんな、そう言って俺をまるで不思議なものでも見るかのような顔をして見つめてくる目の前にいる美形さん。
「ごめん…なさい。本当に誰かわかんなくて…」
「蓮。海原蓮だ。一個上。覚えてんだろ?なぁ…あんだけ呼んでた名前だぞ…お前…」
そう言った海原、さんは未だ俺の瞳を写したまま。
そんな時聞こえて来た着信音。
こんな時に悪いけど、出ないのも相手に悪いと思いおもむろに携帯へと手を伸ばす。
ディスプレイに表示されている名前はーー…
「あ、龍也だ。」
平然とそうつぶやいた瞬間、俺の肩が強く掴まれた。
「いっ…た…!!」
「お前、覚えてんじゃねーか!
それともあれかよ。俺の事だけ覚えてねーってか?」
「…そう、みたいです…」
その言葉を聞いた途端海原さんの口から零れ落ちた言葉。
「ホント、マジありえねぇっ…!」