ヒトミは、ポップを出来上がったボディの服につけると、外へ置きに行った。

「ところでさー、二人は付き合った訳ですが〜、この夏のご予定は?!」

わざわざ外から大声で聞いてくる。ヒトミは本当にお喋り好きだ。そこが可愛いんだけど!

「とりあえず、花火行ってきまぁ〜す!」

あたしも調子に乗って、大声で話す。

「出たぁ〜!夏の風物詩!恋人達の大定番!!」

ヒトミは更に声を張り上げて店内に戻ってくる。

「ケータもあたしも浴衣で行くんだ〜!楽しみ過ぎる!!」

ウキウキ気分で鼻歌を歌う。

「マジかー!楽しんできてよ!チクショウッ!!いいなぁ〜」

彼氏が居ないヒトミは、口を尖らせる。



「あっ!今気付いたけど…エーコちゃっかりケータ君のこと呼び捨てじゃ〜ん!ケータ君も??」

ニヤニヤしながら腕を揺らすヒトミ。

「そ〜で〜〜す!」

あたしは両手を上げて、頭上で大きな丸を作った。

「やったじゃん!」

あたしとヒトミは声を出して笑った。

始まりは、全てがキラキラしていた。

誰もが味わう恋人の始まり…