ともかく、この二つに葛藤しつつも、彼の熱い想いに打ち破られ、一線を乗り越えたのである。
7月のあの日。
暗い山道。木々の間に見える綺麗な夜景。
ボブ・ディランの曲を、
繰り返しかけて。
「俺は、絶対乗り越える。だから待ってて欲しい。俺の成長を、待っててくれ。」
そんな彼が放った、今では『嘘』になるセリフで、記憶の中から我に返った。
メールは来ない。
いたたまれなくったあたしは、パソコンの電源を入れた。
ケータイ(あたし)とパソコン(彼)のメールのやり取りでは、時間がかかって待ちきれない。
さっさと動けるチャットにしよう。
彼からの返事は無いけど、きっとパソコンの前に居るに違いない。
サインインしてみると、彼もオンライン状態だった。
物凄い緊張が、身体を走った。
すぐに彼に話しかけた。
パソコン上で。
−エーコ:どうしたの?−
といった画面が表示された。
だが、それも返答無く、一分もしないうちに、彼のマークがオフラインに変わった。
(わざとだ…)
ここで、完全に別れを告げられると確信したあたしは、ついに耐え切れず涙が溢れでた。
「もう!!言うなら、さっさと言えよ!!ケータ…」
怒りと悲しさで、叫び声なのか、情けない声なのか、分からないしゃがれた声を発していた。
「お願い…お願い…」
当然、蛇口などついていないあたしの瞳からは、止まることない涙が溢れでて、頬をつたい、皮膚の痒みを誘った。
7月のあの日。
暗い山道。木々の間に見える綺麗な夜景。
ボブ・ディランの曲を、
繰り返しかけて。
「俺は、絶対乗り越える。だから待ってて欲しい。俺の成長を、待っててくれ。」
そんな彼が放った、今では『嘘』になるセリフで、記憶の中から我に返った。
メールは来ない。
いたたまれなくったあたしは、パソコンの電源を入れた。
ケータイ(あたし)とパソコン(彼)のメールのやり取りでは、時間がかかって待ちきれない。
さっさと動けるチャットにしよう。
彼からの返事は無いけど、きっとパソコンの前に居るに違いない。
サインインしてみると、彼もオンライン状態だった。
物凄い緊張が、身体を走った。
すぐに彼に話しかけた。
パソコン上で。
−エーコ:どうしたの?−
といった画面が表示された。
だが、それも返答無く、一分もしないうちに、彼のマークがオフラインに変わった。
(わざとだ…)
ここで、完全に別れを告げられると確信したあたしは、ついに耐え切れず涙が溢れでた。
「もう!!言うなら、さっさと言えよ!!ケータ…」
怒りと悲しさで、叫び声なのか、情けない声なのか、分からないしゃがれた声を発していた。
「お願い…お願い…」
当然、蛇口などついていないあたしの瞳からは、止まることない涙が溢れでて、頬をつたい、皮膚の痒みを誘った。