思い立った様子でケータは立ち上がり、勢いよく振り向いた。

「よし!今から桜鹿山に行こう!」

突然の発言にあたしは目を見開いた。
時間は夕方の18:30。今から桜鹿山へ行けば、夜景を見れる時間だ。

「い、行く!行きたい!!」

さっきまでの苦しい気持ちは吹っ飛んでしまった。ケータの決断は、あたしを引っ張り上げてくれた。

じん、と胸の芯が熱くなるのを感じた。

もう、責めるのは辞めよう。

自分が決断したんだ、ケータと歩もうと。

責めて悔やんでいたって、何も変わらない。余計に別れた彼に失礼だ。

キッパリしたなら、

前見て、進め。