金曜日。

ケータがうちに迎えに来てくれた。

「ありがとう！ケータくん。てか、初心者マークつけなきゃ～！」
「は？俺には必要ねーし！もう上テクだし！」

あたしとケータは、ふざけながら田舎へ向かった。


昼過ぎ。
村へ入るそうそう大自然が待ち構えていた。
「わ～～～～きもちいい！！！！」

すっかりあたし達は、おおはしゃぎだった。

「ね～例のキャンプ場の方まで行こうよ！」
そして、この村のメインのような、湖へ到着。

「ボート乗れるらしいよ！」
「乗ろう乗ろう！」

あたしとケータは、ボートに乗り込み、自然の匂いをいっぱいに嗅いだ。

揺れる湖、初夏の木々の香りが鼻をくすぐる。

「最高にきもちいい！！懐かしいよ～この風景！！」
大きな木に囲まれた、広い広い湖。
水が静かに波を打ち、外界から飛び出した気分。


「マジやべぇよ～楽しすぎる！！」

ケータは必死にオールを漕いでいる。
みるみるうちに、Tシャツは汗で湿っていく。

「ケータ君、大丈夫！？あたし変わろうか？」
そう手を伸ばすも、ケータは首を横に振る。


「いいって！大丈夫。俺様に任せなさい！」

照りつける太陽。
だけど、湖の上はとても静かで、涼しさが残った。