『エーコ、つらい』



やっとケータイが鳴ったと思ったら、
この一文だけ入ってきた。



直感で『別れ』を感じたあたしは、数秒で返事を返した。



『どうした?何がつらいの?』


だけど、彼からの返事はない。




更に別れを確信したあたしは、不安と恐怖で瞬きなど忘れていた。


ケータイを強く握りしめ過ぎて、汗ばみ、こぶしの中はサウナ状態だった。




「お願い、返事を頂戴。ケータ…」

聞こえるはずない呟きをもらし、強く目を潰った。



目の中で、コンタクトが動く。
だが、どうでもよかった。