あたしは、市内に住んでいるが、以前は田舎に住んでいた。
中学1年生までだ。


ケータとは、音楽以外にも「自然」についてよく語った。

あたしが田舎に住んでいた事を知ったケータはとてもうらやましがった。

「いいな~エーコちゃん!田舎育ち!!俺マジ田舎好きだし!しかもそこ俺知ってるよ!小学生ん時、研修みたいなので行ったことある!キャンプができるコテージみたいなのがあるよね?」

「ああ~あるある!あたしも小学生ん時いった!あたしが住んでたのは、もっと村の入り口辺りだけど。あのキャンプ場はあたしが住んでた所よりもっと奥まった場所だよ」

とは言っても、村自体(ちなみ今現在は、合併して『市』になっている)小さいので、所詮近場っちゃあ、近場だが…


「俺、行きたい!そこに!」

ケータが突然はしゃぎ始めた。

「え~!?いいよ!行こう!あたしも何年も行ってないし。久々に行きたいかも!」

「よし!決まり!エーコちゃん、次いつ休み?」

あたしはシフトをチェックする。「確かね…3日後だ!金曜日!」

ケータは笑顔で叫んだ。
「マジ!?俺も休み!!!!行くっきゃないでしょ!!」

「よ~し!行こう行こう!!」


あたしは、初めてのケータとの「丸一日デート」を約束した。