「ん？大変って？」

食べる事に夢中で、正直お母さんの言葉は気にもならなかったが一応聞いてみた。

「お父さんが交通事故に巻き込まれてね〜。」

あたしは動かしていた右手を止めた。

嫌な予感−−
父親からはロクな話しがでない。


「は？巻き込まれた？事故ったの？」

キツイ口調で返すあたしに、お母さんはマイペースを守ったまま話しを続けた。

「それがさぁ、お父さんが加害者なのよ。」



−−−−ありえない。


あたしは込み上げる怒りと不安を押し退けるように冷静さを保った。

「は？どうゆう事？お父さん、人ひいたの？」

正直、あたしのお父さんは車関係の問題をよく起こす。

違反はもちろん、物にぶつけただとか、釜掘られただとか…何かと問題を起こしてはお金を請求する。


そんな出費がうざくて、あたしはお父さんが信用ならない。

それが、まさか人をひくなんてありえない事だ。