とりあえず食欲をそそる塩焼きの匂いに釣られ、右手をさっさと動かし始めた。


ちくしょう…やっぱり白い米が食べたい…


必死に、『打倒!贅肉!』『ダイエット死守』と脳内に叫びかけ、欲望としきりに戦いながら、魚とサラダを口に運んだ。



そんなあたしを遮る様に、お母さんは話し掛けてきた。



「実はね、今日色々と大変だったのよー」


いつものおっとり口調で、お母さんは話を続けた。