そんな必死にもがいている時だった。


プルルルルルッ


店の電話が鳴り響いた。



下で、服の整理をしていたユカが、電話に向かって走っていった。


あたしは、電話の相手を気にしつつ(店長だからね。何かとあたし宛ての電話は多い)脚立の上で、必死に踏ん張り続けていた。



「エーコ!今いい?ヒトミからぁ!」


カウンターから受話器を軽く振り、ユカがあたしに手招きしている。


「はーい!今行きます!」

慌ててあたしは脚立からおり、電話に向かって走った。



ヒトミ…どうしたんだろ?

なんだか不安が頭を過ぎる。