その明かりのお陰で、ケータの顔が映った。


下から照らされたケータの顔は、なんだか『怪しいヒゲ面男』みたいで、あたしは思わず笑ってしまった。


『なんだよ〜!笑ってんじゃねーよ!』

そう言いつつも、ケータも大声で笑っていた。



パソコンの画面。
マイク越しの声。



なんだか、とても無機質に感じた。

けれど、ケータの顔と声はちゃんと電波に乗って、海を越えて届いている。


同時に壮大さも感じた。

人工の力は凄い。




「ケータ、学校はいつからだっけ?」

『明日からだよ!あー面倒くせ!』

ふつう、『緊張』だろ!っと心でツッコミつつ、あたしは念を押すかのように「そうか!また学校がどんなだったか教えてね!楽しみにしてる!」と返事した。



ケータは、その小さなライトを手に持ち、部屋をぐるぐると照らしだした。

ぼんやり照らさる部屋は、とても質素な雰囲気だった。


「これが俺の部屋!てか、もう一人留学生くるらしいけど。韓国人のインチョルって奴。どんな奴かなぁ〜」



ケータの生活する部屋。一緒に住む留学生。ホストファミリー。


まだ始まったばかりのケータのアメリカ生活。


そこにあたしも触れたい…

ケータと他愛ない会話をした後、あたしは早速想いを打ち明けた。