その家族のお父さんがゲートの前に来た。

お父さんは振り向き「行ってきまーす」と手をふった。


親子は、「いってらっしゃーい!一週間後ね!」と手を振りかえした。





次は、ケータだ。





ケータも最後に振り返って、あたしに手をふった。




あたしは、声を出そうとしたけど…やっぱり出なかった…


「……っ…」


涙が溢れて、視界がぼやける。

ケータが…

うまく見えない…




最後のケータを見ようと、必死に涙をぬぐった。



声は出ないけど、手を大きくふり続けた。




そして…



ケータは、見えなくなっていった…





ケータ…





ケータ…