解散後、ケータはあたしの車に乗り、帰宅することにした。




ケータは、随分ご機嫌だった。


演奏後の凹みもすっかり吹っ飛び、お酒が良い感じに回り上機嫌だ。




「へへへ〜」



ケータは甘えて、あたしの左手を握った。

更にそのまま左肩に頭をもたれかけてきた。




(可愛いなぁ〜〜)





あたしは運転の為一瞬、目だけ動かしチラ見すると、また前方を見た。





「どぉしたの〜?ケータく〜ん」


あたしは子供をあやすように言った。





「エーコはね〜、俺の物なのッ」


ケータは甘えるように、そう言葉を発した。



「なに〜?突然!」


あたしは、嬉しいのと恥ずかしいので、胸が高鳴った。



「ん〜だってね、俺嬉しいんだぁ。」


ケータは、あたしの指で遊びながら話しを続ける。


「打ち上げでさぁ〜、他のバンドの人達と話してた時にさぁ、『君の彼女すげぇ良いね!』って皆に言われてさぁ〜。『俺、好きだなぁ〜!』とか。」


ケータは、嬉しそうにゆっくり話す。


ケータは…

指と指を絡める。


お酒でほてった指は熱く、あたしの身体中にケータの血が流れ混むように感じる。



ケータは、おでこをあたしの左肩に擦りつけながら、「エーコは俺のなんだぁ〜!嬉しいー!」と大はしゃぎだった。



「そうだねぇ。嬉しいねぇ。あたしも嬉しい!」


運転など忘れて、両手でおもいっきりケータを抱きしめたいぐらいだ。









ケータ…



あたし達って


誰よりもお似合いなんだよ。





知ってた…?