その後も少し迷うも、なんとかライブハウスに到着した。


外には誰も居ない。


慌てて車を降りると、ライブハウスからドンッドンッとライブサウンドが響いている。



「やっばぁ〜始まってる!!」



かくして、あたしの「彼氏のライブへ行く彼女デビュー」は、遅刻に終わったのであった…



時刻は、18時40分。



あたしは、ファーカラーの付いた茶色いレザーのコートをなびかせて、ライブハウスのビラだらけの重たいドアを開けた。