「黒田さーん!お邪魔します!」



「ジュース飲んだら帰りなさいよ?」



「「「『あざーっす!』」」」



「“ありがとうございます”やろ」



「「「『ありがとうございます!;;』」」」



その日から毎朝夕に、代わり代わりで訪れる男子高校生。

ジュースは出すが、特に私から深入る会話はなく面会は終わる。

だが、そこで言葉遣いや恋愛相談に乗ったりはしてる。

女の子より、よく喋る男子高校生に、斗真たちも色々と話し掛けられてるようだけど、この子たちは出動要請の電話が鳴るとすぐに帰って行くせいか、良い子たちだと、邪険にする事はない。

生活安全課に属する青少年係の人たちと違い、滅多に関われないような子と話せるのは、私たちは一種の学びの時間だと思う。

何が流行ってるのかとか、時代に追い付けても居る気がするし。



「斗真さん!何で若くして結婚する勇気が持てたんですか?」



「仕事してたし、まぁ、将来こいつとしか結婚しないって思ったら、早くても問題ないだろ?だから」



「なるほど!じゃあ、俺ダメだ!結婚はしたくても、今カノととは思わない!」



…その前に、進路を考えたまえ;;