♥恋と事件簿♥

斗志樹が好きで、私を知る人物。

イタズラ電話の件は、“木ノ島にいかがわしい電話をする輩が居る”と、誠君の時に本庁でも話題になってたようだ。



「俺の勘が当たりなら、気を付けるんだな」



「……じゃあちょっと、頼まれてくれない？」



「何だ」



「本庁の刑事課に居る小宮を調べて」



「それって、小宮帝司の娘か」



「良く知ってるね」



「案外、有名だろ」



…そうなんだ。

興味ないけど。



「彼女は斗志樹が好きだし、私の事を知ってるから調べてみる価値ありかと」



「わかった。本庁行く時に――…」



--プルルル…ッ



「刑事課、なん――…」



『どうして、番号変えたの……？俺の事、嫌いなの……？』



「…………」



デスクの電話番号を変えて貰って数日。

もうバレてしまった。

逆探知のスイッチを入れながら、受話器を机に伏せる。

スピーカーフォンじゃないのに、漏れる喘ぎ声。



「――愛依」



身体を丸めて耳を塞いでると、電話を切った斗志樹が声を掛けて来た。

足元にしゃがみ、私の手を握ってくれた。

いつの間に、課長室から出て来たのだろう。



「大丈夫か？」



「……うんっ」



「嫌だったら、電話に出なくて良い。山下が映像の分析したら、この男に会いに行くし」



「それが、それだけでは済まないんですよね」



「は？」



「これ、見て下さい」



神楽は写真を見せ、斗志樹が狙われてる可能性がある事。

小宮を怪しんでる事を話す。